アン・サリーの「満月の夕べ」
8/22、23、24は東京・大田区に漂流。池上本門寺でイベント“SLOW MUSIC SLOW LIVE”を観た。
境内の五重塔の隣に特設されたスペースで毎夏開催される恒例のライブ・イベントだ。
「大人向け」と銘打っているだけあって、年季の入ったヘビー・リスナーがおおぜい集まり、クオリティの高いライブ・パフォーマンスが展開される。
今年のラインナップは、コトリンゴ、手嶌葵、遊佐未森、平原綾香(8/22)、ミナクマリ、多和田えみ、ジェイク・シマブクロ、元ちとせ、BAHO(8/23)、羊毛とおはな、土岐麻子、Sotte Bosse、中孝介、アン・サリー。
コトリンゴの表現力豊かなピアノ&ボーカル、BAHOのドライブの効いたアコースティック・ギターワークなど楽しかったが、凄かったのは、アン・サリーの歌った「満月の夕べ」だった。ヒートウェ-ヴの山口洋とソウル・フラワー・ユニオンの中川敬が共作し、阪神大震災に捧げられたこの曲は、決して忘れてはならない出来事の優れたドキュメントであり、その意味では日本最高の叙事詩=バラッドのひとつと言っていい。アン・サリーはその歌を、オーディエンスの記憶回路に直接注入するように歌い、大きな感動を呼んだ。雨の中でのライブで、寺の境内の五重塔の上に出る月は見れなかったが、彼女の歌がそれを十分に補っていた。
この夏のライブで聴いたベストチューンと言っていい。
次点はFUJI ROCKのくるりの「東京」かな。
(写真はイベント会場から見た本門寺の五重塔)
by hirayama_y
| 2008-08-28 11:07
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