西寺実3大ボーカル最強の競演
12/01は渋谷に漂流。BOXXで“西寺実”のデビュー・ライブを観た。
“西寺実(にしでらみのる)”はアースシェイカーの西田昌史、SHOW-YAの寺田恵子、ラウドネスの二井原実の3人の超実力派ボーカリストが結成した新ユニット。彼らの名前を聞いただけで熱くなる人もいるだろうが、実際、BOXXの狭いステージに3人並んだのを目の当たりにしたら、ものすごく熱かった。そしてライブが始まると、驚きの光景が繰り広げられたのだった。
噂で“西寺実”は往年のJ-ROCKの名曲をカバーするとは聞いていた。が、一曲目から壮大なバラードのイントロ。何が始まるのかとかたずを呑んでいると、RCサクセションの1976年の傑作「スローバラード」。「えーっ、ハードロックの定番じゃないの?」「それを誰が歌うの?」というふたつの疑問が次の瞬間に晴れる。歌い始めたのは当サイトの人気ブロガー二井原。これが実にソウルフルなのだ。サビでは“西”と“寺”がバックコーラスを付ける。これがまた、すごい。記憶をたどってみれば、何かのイベントでふたりがコーラスに回るシーンがなかったわけではないが、ここまで本格的にハモるとはショッキング。ってか、3人はまったく声質が違うし、ビブラートも全然異なる。しかし、だからこそ思い切り歌ってハモった時の衝撃は、初めて体験するものだった。
ファンキーなアレンジでレベッカの「フレンズ」、ぶっちぎりのラテンで葛城ユキの「ボヘミアン」を3人が交代でリードを取り、あるいはコーラスを付けながら歌っていく。ド迫力のハードロックでアン・ルイスの「ああ無情」が演奏されると、やっと目の前の光景が信じられてほっとひと息ついたのだった。
バックを見ると、ドラムス渡嘉敷祐一、ベース美久月千晴、ギター北島健二、キーボードはプロデューサーでもある笹路正徳。ジャズ/フージョン/ロック界にまたがる超絶ミュージシャン達が太い音で織りなすアンサンブルに、ずっと鳥肌が立ちまくる。
途中、笹路がMCで「こんな言い方は失礼かもしれないけど、3人とも “駆け出し”じゃありませんよ。音楽シーンの尖った場所で20年以上歌ってきたってことはすごい。レコーディングは楽しくって、笑いっぱなしだった。こういう音楽を多くの人に聴いてほしい」と語った言葉どおり、手放しで楽しめる熱いライブだった。
終了後、3人は「ちゃんとハモってたかな。何しろ、初めてやったから」と口を揃えた。
いやいや、ものすごいレベルでハモってましたって(笑)。
前日に歌入れが終わったばかり。ミックスを済ませて、アルバム「ふぞろいのロックたち 其之壱」は来年2月にリリースされるという。楽しみに待とう。
このライブの前日に逝去されたラウドネスの名ドラマー樋口宗孝さんのご冥福を、心よりお祈りします。
by hirayama_y
| 2008-12-05 00:50
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